ワンちゃんに骨を与えることは、デンタルケアやストレス解消といったメリットがある一方で、いくつかの危険性も伴います。
特に加熱した鶏の骨など、与えてはいけない種類も存在します。
愛犬の健康を守るためには、ワンちゃんに与える骨の正しい知識を持ち、安全な種類を選んで適切な方法で与えることが不可欠です。
この記事では、骨を与える際の危険性、メリット、安全な骨の選び方や与え方のルールを解説します。
犬に骨を与える前に知っておきたい危険性
ワンちゃんに骨を与えることには、様々なリスクが潜んでいます。
例えば、加熱処理された骨は鋭く裂けやすく、ワンちゃんの口内や消化器官を傷つける恐れがあります。
また、生の骨には食中毒の原因となる細菌が付着している可能性も否定できません。
骨が硬すぎると歯が欠ける原因になったり、小さくなった骨を丸呑みして窒息や消化管閉塞を引き起こしたりする危険性も考慮する必要があります。
【特に注意】加熱した鶏の骨は縦に裂けて内臓を傷つける恐れがある
調理済みの鶏の骨は、ワンちゃんに与える骨として絶対に避けるべきものです。
加熱されることで骨の組織が変化し、噛み砕いた際にガラスの破片のように鋭く、縦に裂けやすくなります。
この鋭利な骨の破片が、ワンちゃんの口の中や食道、胃、腸などの消化器官を突き刺し、深刻な内出血や腹膜炎を引き起こす可能性があります。
フライドチキンや焼き鳥の骨などを軽い気持ちで与えることは、命に関わる事故につながりかねません。
ワンちゃんの安全を守るため、加熱された鶏の骨は決して与えないように徹底しましょう。
生の骨はサルモネラ菌などの食中毒リスクが伴う
生の骨は加熱された骨に比べて裂けにくいものの、サルモネラ菌や大腸菌などの細菌が付着している可能性があり、食中毒のリスクを伴います。
これらの細菌はワンちゃんだけでなく、人間にも影響を及ぼすことがあります。
生の骨を触った手で他の場所を触ったり、ワンちゃんが骨をくわえてカーペットの上などを移動したりすることで、細菌が家庭内に拡散する恐れもあります。
もし生のワンちゃんに与える骨を選ぶ場合は、信頼できる店舗で購入し、衛生管理を徹底することが重要です。
硬すぎる骨は犬の歯が欠けたり、折れたりする原因になる
ワンちゃんの歯は丈夫に見えますが、過度に硬いものを噛むと歯が欠けたり、折れたり(破折)する危険があります。
特に牛や豚の大腿骨など、非常に硬い骨には注意が必要です。
歯が折れると、歯の神経が露出し、激しい痛みを伴うだけでなく、細菌感染を引き起こすこともあります。
ワンちゃんに与える骨を選ぶ際は、爪で押して少し跡がつく程度の硬さが一つの目安とされています。
愛犬の歯の健康を守るためにも、骨の硬さには十分配慮して選びましょう。
小さな骨や骨の破片は喉や消化器官に詰まる可能性がある
ワンちゃんが骨を噛んでいるうちに小さくなった骨や砕けた骨の破片を飲み込んでしまう事故は少なくありません。
これらの破片が喉に詰まると窒息の危険があり、食道や胃、腸などの消化器官に詰まると消化管閉塞を引き起こす可能性があります。
消化管閉塞は嘔吐や食欲不振といった症状を引き起こし、重篤な場合は手術が必要になることもあります。
ワンちゃんに与える骨は、ワンちゃんが丸呑みできない大きさのものを選び、小さくなったら早めに取り替えることが大切です。
犬が骨を噛むことで得られる3つのメリット
ワンちゃんに骨を与えることにはリスクもありますが、正しく選んで与えれば多くのメリットが期待できます。
骨を噛むという行為はワンちゃんの本能的な欲求を満たし、心身の健康に良い影響を与えます。
例えば、硬い骨を噛むことで歯の表面に付着した歯垢が除去され、歯石の予防に役立ちます。
また、夢中になって噛むことでストレスが発散されたり、顎の筋肉が鍛えられたりといった効果も見込めます。
メリット1:歯石の蓄積を防ぎデンタルケアにつながる
ワンちゃんに骨を与えることの大きなメリットの一つが、デンタルケア効果です。
ワンちゃんが骨をガリガリと噛むことで、歯の表面に付着した歯垢が物理的にこすり落とされます。
歯垢は歯石の前段階であり、放置すると硬い歯石となって口臭や歯周病の原因になります。
骨を噛む習慣は、この歯垢の蓄積を抑制し、歯石がつくのを防ぐのに役立ちます。
もちろん、骨だけで全てのデンタルケアが完了するわけではありませんが、日常的な歯磨きの補助として、口内環境を清潔に保つ手助けとなります。
メリット2:噛む欲求が満たされてストレス発散になる
ワンちゃんにはもともと、ものを噛みたいという本能的な欲求があります。
この欲求が満たされないと、ストレスを感じて家具やスリッパなどを噛むいたずらに発展することがあります。
ワンちゃんに骨を与えることで、この噛む欲求を安全な方法で満たしてあげられます。
骨に集中して長時間噛み続ける行為は、ワンちゃんにとって良い気晴らしとなり、エネルギーの発散にもつながります。
留守番の時間や、運動が十分にできない日のストレス解消法としても有効な手段です。
メリット3:顎の筋肉を鍛え、健康な歯を維持する
適度な硬さの骨を噛むことは、ワンちゃんの顎の筋肉を鍛えるトレーニングになります。
顎の力がつくことで、食べ物をしっかりと咀嚼できるようになり、消化を助ける効果も期待できます。
また、顎を動かすことは歯茎の血行を促進し、健康な歯を維持するためにも重要です。
特に成長期のワンちゃんや、顎の力が強い犬種にとって、骨を与えることは健全な顎の発達をサポートする役割を果たします。
ただし、硬すぎる骨は逆効果になるため、愛犬に適した硬さの骨を選ぶことが前提です。
愛犬に安全な骨の選び方【種類・硬さ・サイズ】
愛犬に与える骨は、安全性に最大限配慮して選ぶ必要があります。
重要なポイントは「種類」「硬さ」「サイズ」の3つです。
加熱した鶏の骨は避け、ワンちゃんの顎の力や歯の状態に合った硬さのものを選びましょう。
また、丸呑みを防ぐためには、ワンちゃんの体の大きさに適したサイズを選ぶことが不可欠です。
これらのポイントを押さえて、愛犬が安全に楽しめる犬に与える骨を見つけてください。
犬種や体の大きさに合わせて丸呑みできないサイズを選ぶ
ワンちゃんに与える骨のサイズ選びは、事故を防ぐ上で非常に重要です。
基本的には、ワンちゃんが丸呑みできない大きさであることが絶対条件です。
目安として、ワンちゃんの頭よりも大きいサイズや、口の両端から骨が出るくらいの長さがあるものが推奨されます。
ワンちゃんが両前足でしっかりと押さえて噛めるような大きさであれば、喉に詰まらせるリスクを低減できます。
特に、食べ物を丸呑みする癖のあるワンちゃんには、十分に大きいサイズの骨を選んであげるようにしましょう。
初めて与えるなら比較的柔らかい「豚骨」や「馬骨」がおすすめ
ワンちゃんに骨を与えることについては、様々な意見があり、特に硬い骨やアキレス腱は、ワンちゃんの歯が割れたり欠けたりするリスクがあるため注意が必要です。獣医師の中には、骨や硬いおやつを与えることに警鐘を鳴らしているケースがあります。馬のアキレス腱も硬すぎると歯を傷つける可能性があると指摘されています。そのため、ワンちゃんに骨を与える際は、愛犬の健康と安全を最優先に考え、慎重に判断することが重要です。
ワンちゃんが何かを噛むのは、ストレス解消や歯の健康維持、そして退屈を紛らわせるための本能的な行動とされています。そのため、骨の代わりに、VOHC認定製品や安全設計のおもちゃ、知育トイなどの代替品で、愛犬の本能的欲求を満たしながら健康を守ることも可能です。
もし骨を与える場合は、以下の点に注意してください。
* 硬すぎる骨は避ける: ワンちゃんの歯が欠けたり、破損するリスクがあります。
* 丸呑みできないサイズの骨を選ぶ: 窒息や消化管の詰まりを引き起こす危険があります。
* 加熱した骨、特に鶏の骨は避ける: 加熱された骨は脆くなり、鋭い破片となって口腔や消化管を傷つける恐れがあります。生骨も病原菌に汚染されている場合があります。
* 与えすぎない: 消化器官に負担がかかることがあります。
愛犬に骨を与える際は、必ず飼い主の目が届く範囲で、愛犬の体調や便の状態をよく観察しながら与えるようにしましょう。
長時間楽しめる「牛骨」やアレルギーの少ない「鹿の骨」も人気
骨を噛むことに慣れているワンちゃんには、より硬く長持ちする牛の骨も選択肢になります。
牛の骨は非常に硬いため、長時間楽しむことができ、大型犬や噛む力が強いワンちゃんに適しています。
一方、最近注目されているのが鹿の骨です。
鹿肉は低アレルゲンで、アレルギーが心配なワンちゃんにも与えやすいのが特徴です。
また、栄養価が高く、嗜好性も良いとされています。
ワンちゃんに与える骨の種類は様々なので、愛犬の体質や好みに合わせて選んであげましょう。
事故を防ぐ!犬に骨を安全に与えるための4つのルール
ワンちゃんに骨を与える際には、安全を確保するためにいくつかのルールを守ることが重要です。
メリットがある一方で、与え方を間違えると重大な事故につながる可能性があるからです。
与える時間を管理し、必ず飼い主の目の届く範囲で与えること、そして骨が小さくなったら交換するなど、飼い主の適切な管理が求められます。
万が一の事態に備えておくことも、責任ある飼い主の務めです。
ルール1:与える時間は15〜20分を目安に時間を区切る
ワンちゃんが骨に夢中になると、何時間も噛み続けてしまうことがあります。
しかし、長時間噛み続けると歯が摩耗したり、歯茎を傷つけたりする原因になりかねません。
また、唾液で湿った骨を長時間放置すると、雑菌が繁殖しやすくなり衛生的にも問題があります。
そのため、ワンちゃんに骨を与える際は、1回あたり15分から20分程度を目安に時間を区切ることが推奨されます。
時間を決めて与えることで、歯への負担を軽減し、衛生的に楽しむことができます。
ルール2:必ず飼い主が見ている前で与え、目を離さない
ワンちゃんに骨を与える際は、必ず飼い主がそばで見守るようにしましょう。目を離した隙に、骨を丸呑みしようとしたり、予期せぬ形で骨が割れて鋭利な破片ができたりする可能性があるからです。
もしワンちゃんが喉に骨を詰まらせたり、口の中を傷つけたりした場合でも、飼い主がすぐに気づけば迅速に対処できます。留守番中や飼い主が就寝している間に与えるのは、万が一の事故に対応できないため絶対に避けるべきです。
ルール3:小さくなった骨は誤飲の危険があるため早めに交換する
ワンちゃんが骨を噛み進めていくと、だんだんと小さくなっていきます。
ワンちゃんが飲み込めるくらいのサイズになると、誤飲のリスクが非常に高まります。
喉や消化器官に詰まらせる事故を防ぐため、骨が小さくなってきたら、ワンちゃんが名残惜しそうにしていても、飼い主が判断して取り上げてください。
新しい骨と交換するか、他のおもちゃで気を引くなどして、危険な状態になる前に安全に管理することが、ワンちゃんに骨を与える上での重要な責任です。
ルール4:万が一の事故に備えて緊急時に対応できる動物病院を確認しておく
どんなに注意していても、事故が起こる可能性をゼロにすることはできません。
万が一、ワンちゃんが骨を喉に詰まらせたり、骨を飲み込んで嘔吐を繰り返したり、歯が折れてしまったりした場合に備えて、すぐに対応できる動物病院を事前に確認しておきましょう。
かかりつけの病院の診察時間外に事故が起きることも想定し、夜間や休日に対応してくれる救急動物病院の連絡先や場所も把握しておくと安心です。
準備をしておくことで、ワンちゃんに骨を与える際にも落ち着いて対応できます。
犬に骨をあげることに関するよくある質問
ワンちゃんに骨を与えることについては、多くの飼い主が様々な疑問を抱いています。
例えば、体の小さな小型犬やまだ成長段階にある子犬に骨を与えることの安全性について、懸念を示す質問がよく寄せられます。ワンちゃんに骨を与えることは、喉詰まりや消化器の損傷、歯の破損などのリスクがあり、特に加熱された骨や小さく砕けやすい骨は危険であるとされています。子犬やシニア犬には、やや柔らかめの骨を選ぶことが推奨される場合もありますが、与える際には獣医師への相談が不可欠です。
ここでは、そうしたワンちゃんに与える骨に関するよくある質問に答え、飼い主の不安や疑問を解消していきます。
Q. 小型犬や子犬に骨を与えても大丈夫ですか?
永久歯が生えそろった子犬や小型犬に骨を与える場合は、種類やサイズに特に注意が必要です。
顎の骨や歯がまだ発達途中であったり、力が弱かったりするため、硬すぎる骨は歯を痛める原因になります。
比較的柔らかい豚骨や、子犬・小型犬用に販売されている安全な骨を選び、ごく短い時間から試して様子を見ましょう。
Q. 骨の代わりに与えられる安全なおやつはありますか?
骨の代用品としては、安全性を考慮して作られたデンタルガムや、ナイロンなどの丈夫な素材でできたおもちゃがおすすめです。
これらは歯垢除去の効果が期待できるほか、噛む欲求を満たすのに役立ちます。
ワンちゃんに与える骨と異なり、砕けて鋭利な破片ができるリスクが低い製品も多いため、安全な選択肢と言えます。
Q. 骨を丸呑みしてしまった場合、どうすればいいですか?
ワンちゃんに骨を与える際に丸呑みしてしまったら、まずは落ち着いてワンちゃんの様子を観察してください。
呼吸困難など緊急の症状がなければ、自己判断で無理に吐かせようとせず、すぐにかかりつけの動物病院に連絡し、指示を仰ぎましょう。
獣医師に、いつ、何を、どのくらいの大きさのものを飲み込んだか正確に伝えることが重要です。
まとめ
まとめ
ワンちゃんに骨を与えることは、デンタルケアやストレス解消といったメリットがある一方で、与え方を間違えると歯の破折や消化器官の損傷など、重大な事故につながる危険性もはらんでいます。
愛犬の安全を守るためには、加熱した鶏の骨は絶対に避け、ワンちゃんの体格に合ったサイズや硬さの骨を選ぶことが不可欠です。
この記事で紹介した選び方や安全な与え方のルールを守り、ワンちゃんに与える骨を正しく活用してください。